外国の料理を、翻訳アプリのぎこちない訳文どおりに作る。これも不思議生命体(FARO)あるあるです。
「にんじんを、納得するまで刻みます」と訳されていれば、真顔でうなずいて手を動かす。ほかの人なら首をかしげる指示を、面白がって引き受ける一コマがいくつもあります。
FAROの4つの文字を、ここではF=相手に合わせたい、A=甘えられたい(受け止めたい)、R=現実的、O=楽観・自由と受け取って話を進めます。この受け取り方の土台は、Shizuku編集部の解釈です。
とくに「わかる」と言われやすい3つ
- いつものヨーグルトがない日は、2つ買って帰る。似たものと知らない牧場のものを、食べる時間まで決めて並べる
- 恋人の寝言に、まじめに相づちを打つ。夜中の「それは右の棚」に、暗がりで「右ね」と返す
- 外国の料理は、ぎこちない訳文のまま作る。「納得するまで刻みます」にも、真顔でうなずく
家のまわりの、不思議生命体あるある
この名前にShizuku編集部が見ているのは、出かけた先は読めないのに、帰ってくる場所はいつも同じ生き物の姿です。楽観・自由のOが毎日の小さな寄り道を増やし、現実的なRが、それを暮らしの中へきちんと持ち帰ってきます。
コインランドリーでは、丸い窓の正面に座る
乾燥機が止まるまでの時間は、スマホを見ていてもいい時間です。それでもこの人は、丸い窓の正面に椅子を寄せて、自分の枕カバーが上がっては落ちるのを眺めています。
水色の枕カバーが何度目かに窓の上へ来たとき、小さく「あ、また来た」と声が出る。ブザーが鳴ると、たたむ順番だけは毎回同じです。
いつものヨーグルトがない日は、2つ買って帰る
家族から「帰りに、いつものヨーグルト」と頼まれた日、棚のその銘柄だけが空いている。この人はしばらく売り場に立ってから、似た大きさのプレーンと、聞いたことのない牧場の名前がついた小ぶりのものをひとつずつかごに入れます。
帰って冷蔵庫に並べながら、「いつものはなかったから、こっちは明日の朝、こっちは今夜」と言う。家族は牧場のほうをひと口食べて、「これ、どこの?」とラベルの字を読みはじめます。
アボカドの種を、計量カップの縁にのせておく
食べ終えたアボカドの種を洗い、爪楊枝を3本刺して、水を張った計量カップの縁にのせる。芽が出ないまま季節がひとつ変わっても、朝のごみ出しから戻るたびに、水を入れかえています。
家族に「それ、まだ待つの?」と聞かれると、「まだ待つ」とだけ答える。その横には、種を置いた日付を書いたマスキングテープが、貼ったままになっています。
職場の机と、友人との遊びのあいだで
相手に合わせたいFと受け止めたいAのおかげで、この人は職場の決まった席にも、友人の決めた遊びにも、すっとなじみます。なじんだあとの過ごし方だけが、少し人と違っています。
席替えで通路側の席でも、風が来ないと喜ぶ
フロアの席替えのくじで、窓からいちばん遠い、通路側の棚の横を引く。周りが気の毒そうな顔をするなか、この人は「ここ、エアコンの風が直接来ないんだ」と言って、もう椅子の高さを合わせています。
1週間もすると、その棚のどの段に何が入っているかという質問は、すっかりこの人に回ってくる。「クリップどこ?」の声も、まっすぐこの人の机に飛んできます。
おみやげは、量り売りの金平糖を小袋に分けて
休みに出かけた先で職場へのおみやげを選ぶとき、箱入りのお菓子の棚は素通りして、量り売りの金平糖をひと袋買う。出社した朝、それを小さな紙袋に分け、ひとりひとりの机に置いていきます。
誰の袋にどの色が多く入るかは、すくった順番まかせ。「私の、白ばっかり」「こっちは桃色が3つ」と、昼前には机ごしに中身の報告が飛び交っています。
ダーツでは、1投ごとに投げ方を変えてみる
友人とダーツの店に入ると、この人は1投目を右手で、2投目を左手で、3投目はうんと高い弧を描くように投げてみる。得点の画面には外れの印が並びますが、投げ方を変えるたびに少し楽しそうです。
最後のラウンドだけは、いつもの持ち方でまっすぐ投げる。真ん中から遠い所に刺さっても、「今のがいちばんいい音だった」と満足して、矢を抜きに行きます。
お開きのあと、改札で「また月曜に」と手を振る
飲み会がお開きになる少し前、まとめ役の人に、自分のぶんの会費をお釣りの出ない額で渡しておく。店の前で「もう1軒どうする?」と輪が揺れはじめると、輪の端で「また月曜に」と声をかけてから、駅のほうへ歩き出します。
改札を通る前に一度振り返り、残った輪に、もう一度大きく手を振る。それから、ホームへ上がっていきます。
首をかしげつつ、うれしそうに言われること
- 恋人 「寝言に返事をもらったの、生まれて初めてだったよ」
- 後輩 「おみやげの袋、今回は何色が多いか、開けるまで楽しみなんです」
- 友人 「点数は負けてるのに、満足そうな顔で矢を抜きに行くよね」
- 家族 「頼んだものがなかった日のほうが、冷蔵庫の中が楽しいんだよね」
好きな人や恋人の前で、ふと出る一面
「好きな季節は?」に、迷わず「梅雨」と答える
好きな人と2回目の食事をした帰り道、「季節はいつが好き?」と聞かれる。この人は少しも迷わずに「梅雨」と答えます。
理由は、雨の日にしか履かない黄色い長靴があるから。相手が吹き出しても、本人は週間天気の雨マークを指で数えながら、楽しそうです。
恋人の寝言に、暗がりでまじめに相づちを打つ
夜中、隣で眠る恋人が、はっきりした声で「それは右の棚」と言う。この人は暗がりで、小さく「右ね」と相づちを打ちます。
朝になって恋人が「夜中、何か言ってた?」と首をかしげると、「右の棚の話、合ってたと思うよ」とまじめに答える。恋人はきょとんとしてから吹き出し、2人で夢の中身を推理しはじめます。
恋人の部屋から見える鉄塔に、名前をつける
恋人の部屋の窓を開けると、ビルの向こうに赤と白の鉄塔が1本だけ見える。この人はそれに「てっちゃん」と名前をつけ、遊びに来るたびに、窓の外へ「今日も立ってるね」と声をかけます。
雨で鉄塔が霞んで見えない日は、「今日はお休みかな」とつぶやく。恋人はそのたびに、何の話だったかを思い出すまで、少しだけ間があきます。
スマホに残る、気ままさと律儀さ
画面の中でも、楽観・自由のOは見に行く先を広げ、受け止めたいAは、身近な人の声だけは取りこぼさない場所を残しておきます。
外国の料理は、翻訳アプリのぎこちない訳で作る
動画で見かけた外国の家庭料理を作りたくなると、説明の文章を訳してもらい、その画面のまま台所へ持っていく。「にんじんを、あなたが納得するまで刻みます」という訳にも、この人は真顔でうなずきます。
できあがりが動画と少し違っても、「納得するまで刻んだから」と満足して食べる。訳文の画面は、次に作る日のために保存してあります。
出かけた先で撮るのは、名所よりマンホールのふた
出かけた先で撮ったものを見せてと頼まれ、画面を開けば足もとばかり。町ごとに絵柄の違うマンホールのふたが、撮った順に続いています。
「名所の写真はないの?」と聞かれて、ようやく出てくる1枚は、城の前で友人が撮ってくれた自分の後ろ姿。本人は、その足もとにもふたが写っているのを見つけて喜んでいます。
アプリの通知は切っても、人からのトークは残す
通知はほとんどのアプリで切ってあり、お店のお知らせは、夜にまとめて開く。人から届くトークだけは、通知を残したままにしてあります。
よく鳴るのは家族のトークで、流れてくるのはたいてい実家の鉢に咲いた花か、その日の晩ごはん。それでも鳴ればすぐに開いて、「きれい」「おいしそう」と、ひと言だけ返しています。
不思議生命体(FARO)あるあるのよくある質問
うなずけない場面が混ざるのは、珍しいことではありません。たとえば、頼まれた品が棚になかった日に、何も買わずに引き返す自分を思い浮かべて、それはそれで落ち着かないと感じるなら、そこにもこのタイプらしさは出ています。あるあるは、そのまま重なる形のほかに、反対側に立ったときの居心地の悪さとして当たることもあります。どうしても重ならない場面は、読み飛ばしてかまいません。
出発点は、Shizuku編集部が4文字に当てている読みです。その読みが暮らしのどこに顔を出しそうかを想像して、一コマずつ書いています。アンケートや寄せられた体験談は使っておらず、当てはまる人の多さを示すものでもありません。うなずけた場面の数で、診断の当たり外れを測る使い方には向いていません。
この人にとって、帰りの時刻は店に入る前に決めておくものです。お開きの少し前に会費をお釣りの出ない額で渡しておくのも、その時刻まで、席を立つ段取りに気を取られずにいたいから。終わりが見えているぶん、一次会のあいだは、話の輪からほとんど離れません。
違いは4文字目だけで、Eは真剣・一途、Oは楽観・自由というのがShizuku編集部での読み方です。この1文字の差は、あるあるの場面より、会えない日の連絡の扱い方にはっきり表れます。不思議生命体(FARO)の恋愛ページでは連絡のあかない週を、敏腕マネージャー(FARE)の恋愛ページでは予定を決めるときにだけ届く連絡を取り上げているので、2つを読み比べると、自分の連絡の仕方がどちらの描写に近いかをつかみやすいはずです。
Shizukuの相性判定では8点満点の3点で、Cランクです。内訳は、甘え方(A同士)・感情の温度(R同士)・恋愛への向き合い方(O同士)が1点ずつ、リードの役割(F同士)が0点。日曜の昼、片方が翻訳アプリの訳文を見ながら外国の料理を作りはじめても、もう片方は止めも手伝いもせず、鍋をのぞいて「それ、何になる予定?」と面白がっていそうです。F同士の0点は、どちらも相手の案に乗るのが心地よいぶん、最初の案を出す人が決まらないままになりやすいという読みです。何も工夫しないと食い違いが出やすい場所の目印で、2人の仲の良し悪しを言い渡す点ではありません。
まとめ
週明けの朝、通路側のいつもの席に着くと、この人は机の端に、週末の寄り道で拾った松ぼっくりを1つ置きます。誰かに見せるためではなく、置いたことも昼には忘れています。
次の金曜、その松ぼっくりは机の端からいなくなり、かわりに、かさの閉じた小ぶりのもうひとつが座っています。
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