医療従事者として年収1000万円前後を稼ぎ、物質的には不自由のない生活を送っていた30歳の男性が、すべてを手放して女性用風俗の世界に飛び込んだ。OASIS本店のセラピスト・きょうへいである。
「お金では埋められない何か」を求めた転職の背景には、札幌のバーでの偶然の出会いと、自分の魅力で人を喜ばせたいという強い願望があった。安定を捨てて未知の業界に踏み出した決断のプロセスと、セラピストとして見据える将来像に迫る。
年収1000万でも「何か足りない」——転職を決意するまで
きょうへいの前職は医療関係の仕事であった。病院勤務を経て、コロナ関連の業務にも従事し、年収は1000万円前後に達していたという。経済的な不安はなく、欲しいものも買える生活。しかし、その中で彼が感じたのは漠然とした「物足りなさ」であった。
彼はインタビューの中で「コロナの仕事も楽しかったけれど、元々医療系の仕事がそんなに好きじゃなかった」と率直に語っている。年収の高さがモチベーションの代わりになっていた時期もあったが、金銭的な充足は心の空白を埋めてはくれなかった。転職を考え始めた時期、彼の中にあったのは「お金に関係なく、本当に好きなことをしよう」という明確な決意だったという。
転機は札幌で訪れた。友人が経営するすすきののバーを半年ほど手伝っていた際、客として来店した現役セラピストから「やってみない?」と声をかけられたのだ。業界の詳しいことは分からなかったが、好奇心が勝り、まずは札幌で試しに足を踏み入れた。
元々、医療という”決められた枠組み”の中で働くよりも、自分という人間そのもので勝負する仕事に惹かれる性格であった。バーの接客を通じて「自分の魅力で人に喜んでもらうことが好きなんだ」と気づいたことが、セラピストへの道を本格的に意識させたという。彼はこれを「究極の水商売」と表現する。
自分自身を売り出し、直接お客様に喜んでもらう。その手応えが、医療従事者時代には決して得られなかったものだった。
OASISを選んだ理由——利用者と同じ目線で店舗を比較した判断基準
札幌での体験を経て東京に戻ったきょうへいが次に直面したのは、どの店舗で働くかという選択である。彼が取った行動は興味深い。「お客様と同じ目線で店を選んだ」のだ。
OASISを選んだ決め手は以下の通りである。
- ホームページのデザインが明るくポップであること
- 代表の青山翔輝が顔出しでしっかり発信していること
- 安心感のある運営体制が伝わってくること
きょうへいは無意識のうちに、利用者心理と同じプロセスで職場を選んでいたのだ。
講習の洗礼と「当たり前を当たり前にやる」成長哲学
OASIS入店後、きょうへいが最も印象に残っている講習体験がある。担当講師のさんによるマナー講習で、膝枕をしながらの挨拶を実演してもらった場面だ。「正直マジで照れた」と振り返るが、同時に「めっちゃいい挨拶だと思った」とも語る。現在は自身もこの挨拶を取り入れているが、3〜4割のお客様は「恥ずかしいからやめて」と断るため、必ず事前に確認を取るという。この細やかな配慮が、セラピストとしての成熟を物語っている。
きょうへいの仕事への向き合い方は、極めてシンプルかつストイックである。彼が最も大事にしているのは「当たり前のことを当たり前にやる」ということだ。
特別なテクニックや派手なパフォーマンスに頼るのではなく、やるべきことを確実にこなす。彼は「人間は当たり前のことを当たり前にするのが結構難しい」と分析する。どこかでミスが出たり、自分に負けてサボってしまったり。そうした「自分を律すること」こそが、成長の核だと考えている。
初めての接客の記憶も鮮明だ。緊張よりも「お金をいただいている以上、何をしてあげられるかを考え続けた」という。悩みながらもその悩みを表に出さず、お客様にとっての最善を探り続けた。彼が最も嬉しかった瞬間は、自分の成長を実感できた時だったと語る。
一方で、辛い瞬間もある。お客様に満足してもらえなかった時、何が悪かったのか分からない状態が最もきついという。「悪いところがはっきりすれば直していけるけど、何がダメだったのか分からない状態が一番苦しい」。
この正直な告白に、プロとしての真摯さが滲む。
この「基本に忠実であること」の重要性を身体で知っている人材が女風業界に入ることで、接客の質が底上げされる効果は大きい。異業種からの転職者が活躍できる理由の一端がここにある。
優しさは有限——フィリピン留学で学んだ人間哲学
きょうへいの人間観で最も印象的だったのが「優しさのエネルギーは有限である」という考え方だ。これはフィリピン留学時の体験に根ざしている。
貧富の差が激しい地域を歩けば、50人もの子どもたちが物やお金を求めてくる。最初は応じていたが、すぐに限界を感じた。物理的にも、精神的にも、すべての人に等しく優しくすることは不可能だと悟ったのだ。
だからこそ、きょうへいは優しさを使うタイミングを見計らう。全員に薄く均等に配るのではなく、目の前の人に対して全力で向き合う。この姿勢はセラピストの仕事にも直結している。一人ひとりのお客様に対して、限りあるエネルギーを集中させることで、深い癒しと満足を提供しているのだろう。
彼は自分の性格について「そんなにできた人間ではない」「性格はそんなに良くない」と自己分析する。しかしその正直さこそが、セラピストとしての信頼を生む源泉なのかもしれない。周囲を落とすタイプの人間や、陰で嫌なことをする人間を最も嫌うと語る彼の価値観は、一貫して「誠実さ」に根差している。
初めての方へ——セラピスト選びのヒント
「親しみやすさ」「クールに見えて実は温かい」というギャップを持つセラピストは、初回の緊張を和らげてくれる存在になりうる。きょうへい自身も「声が低くてクールに見られるけど、話すとそうじゃない」と語る。
プロフィールの見た目やテキストだけで判断せず、テレフォンコースなどで実際に話してみることで、相性の良いセラピストに出会える可能性が高まる。
オーナーを目指す——セラピストの先に描くキャリアビジョン
きょうへいの目標は、売上やランキングの数字だけにとどまらない。彼が見据えているのは「この業界でどれだけ影響力を持てるか」という大きなビジョンである。
まずは店長を経験し、将来的にはオーナーとして業界に貢献したい。OASISグループが店舗展開を進めていく中で、自分がその一翼を担える存在になりたいと語る。お世話になった組織に恩を返しながら、自分のやりたいことも実現する。
その両立を本気で考えている姿勢に、単なる夢想ではない覚悟を感じた。
プライベートでは「今までこんなに何かに打ち込んだことがなかった」と言い切るほど、セラピストの仕事にコミットしている。月に1回のバー兼業、テニスやバスケなどのスポーツ、Kアリーナでの音楽フェス参加など多彩な活動は続けているが、優先順位は明確にセラピストの仕事が最上位だ。
人間としてのありたい姿について、彼は「不快な思いをさせないで自分もしない」というフラットな関係性を理想に掲げる。相手が不快なことをしてくるのは自分にも原因がある。そう考えられる人間になりたいという言葉に、この仕事を通じて磨かれた人間性が表れていた。
まとめ——安定を手放した先にある「本当の充実」
本記事の要点を整理する。
- 転職の動機:年収1000万でも埋められなかった「自分という人間で勝負したい」欲求
- きっかけ:札幌のバーで現役セラピストに声をかけられた偶然の出会い
- 店舗選びの基準:利用者と同じ目線でHP・代表の姿勢・安心感を重視
- 成長哲学:「当たり前のことを当たり前にやる」ストイックな姿勢
- 人間観:「優しさのエネルギーは有限」だからこそ、目の前の一人に全力を注ぐ
- キャリアビジョン:店長を経験し、将来はオーナーとして業界に貢献したい
「この業界はみんなが思っているほどダークではなく、ちゃんとしている」——きょうへいの言葉は、業界への偏見を持つ人にこそ届いてほしい。
よくある質問
なれる。OASISグループではセラピストの7割が未経験からのスタートであり、充実した講習制度で基礎から学べる環境が整っている。
個人差はあるが、入店3ヶ月で月収100万円を達成するセラピストも多数いる。副業としてスタートし、本業の収入を超えてから本格転向するケースも一般的である。
多い。元医療従事者、元美容師、元飲食店勤務など、さまざまな業種からの転職者が活躍している。対人スキルやホスピタリティの経験が活かせる業界である。
OASISグループでは、セラピストから講師、店長、副店長、さらにはフランチャイズオーナーへとキャリアアップする道が用意されている。実力次第で経営側に回ることも可能である。
技術よりも人間性や向上心が重視される。清潔感、コミュニケーション能力、この仕事への本気度が主な評価ポイントとなる。



