女性用風俗の歴史を語る上で外すことのできない2人が、ついに対談を果たした。東京秘密基地の元代表にして業界のパイオニア・一条はじめと、OASISグループ代表・青山翔輝。
それぞれが自身のYouTubeチャンネルで相手に質問を投げかけるクロスインタビュー形式で、借金2000万円から業界に飛び込んだ始まりの物語、「業務感」をなくした瞬間に訪れた覚醒、そして30代40代市場という新たなフロンティアの開拓。
女風業界の過去と未来が、この対談に凝縮されている。
借金2000万円からの業界参入——2ちゃんねるの書き込みが「輝いて見えた」理由
一条はじめが女性用風俗と出会ったのは2018年4月。きっかけは自身の事業失敗による約2000万円の借金であった。「男性 高収入」で検索し、ホストクラブ、亡くなった方の体を洗う仕事など様々な選択肢を調べる中で、たまたま辿り着いたのが女性用風俗という業態であった。
当時の情報は極端に少なかった。2ちゃんねるで見つけた「女性の汚物を食べたら100万円もらえる」という真偽不明の書き込み。普通なら引いてしまうような情報だが、一条はじめには「輝いて見えた」という。「借金が1500万あるんだから、15回食べたら返せる」その計算で目を輝かせた男が、後に業界のレジェンドとなるのだから人生は分からない。ちなみにその「案件」はいまだに来ていないらしい。
初めて「東京秘密基地」の名前を知ったのも検索がきっかけだった。「女性風俗って初めて検索したら、東京秘密基地っていうところがいいらしいよ」というポロっと出てきた情報を頼りに、当時まだ簡素だったホームページを見つけ、面接の扉を叩いたのである。当時の活動セラピストはわずか10人程度だったという。
「業務感」をなくした瞬間——21人目のお客様で全てが変わった
一条はじめが語った転機のエピソードは、すべてのセラピストに聞いてほしい話である。入店後、最初の20名のお客様からはリピートが一切なかった。しかし、お客様はセラピストを変えてお店にはリピートしていた。つまり施術内容は80点レベルだったが、「また一条はじめに会いたい」とは思わせられなかったのだ。
原因は「業務感」であった。当時の経営者(通称・和倉会長)が厳しい人物だったため、クレームを避けることが最優先となり、「よろしくお願いします、始めていきます、お金頂けますか、ありがとうございました」という業者を呼んだような機械的な接客になっていた。本来の自分を出せない状態が続いていたのである。
一条はじめ 「このままでいいんだったら申し訳ないけど簡単じゃん。何も意識しなくても。——自分の中ではね。普通の人は手を抜いたら普通の男になっちゃうから、そこは申し訳ないけど俺はプライベートでもできてたっていう話」
転機は21人目のお客様だった。年齢が近く話しやすい相手に対して、初めて「素の自分」を出すことができた。すると翌日にリピート予約が入った。理由は「めちゃくちゃ楽しかったから」。この一言で一条はじめは覚醒した。
ホームページを下ろして勝負——100名のリピート客だけで2年半予約満了を維持した方法
その後のリピート率はとんでもない数字を叩き出した。一条はじめは自らホームページから自分のプロフィールを下ろし、既存の約100名のお客様だけでDM予約を受け、2年半にわたって常に予約満了を維持した。月間売上250万円オーバー、年間で500万円ペース。しかもセラピストは「副業」の位置づけで、裏方の運営業務を本業としてこの数字を出し続けたのだから驚異的である。
「生涯リピート」と一条はじめは断言する。「自分がセラピストを辞めない限り、お客様は一生涯にわたってリピートし続ける。墓場まで擦り付けに来ると思う」
この自信の根拠は、技術だけではない。「気持ちも股間も両方使う」という表現は粗っぽく聞こえるかもしれないが、メンタルケアと性感技術の両輪がそろって初めて、お客様との関係性は一過性のものから生涯的なものへと変わるのだ。
社長時代——「眠い」が一番の苦労と、直感で引き締めるマネジメント
東京秘密基地の社長時代を振り返り、一条はじめが最初に挙げた苦労は「眠い」だった。受付業務、セラピスト管理、お客様管理、店舗全体の運営を一人でこなし、いつ寝ているのか分からない生活が続いた。しかし「みんなを管理すること自体は苦労ではなかった」と語る。
青山翔輝が特に評価するのは、一条はじめの「直感力」である。セラピストたちの中で裏行為や違反行為が増えてきたタイミングで、まるで見透かしたかのように全体ミーティングを招集し、ビシッと引き締める。
「俺がちょっとたるんできたなと思ってた時にドンピシャで来る。すごいタイミングだなって当時思ってた」と青山は振り返る。一条はじめ自身は「直感で生きてるから」「みんないつも悪いことしてるから常に当たる」と笑うが、その視野の広さとバランス感覚は、数百人を統括するマネジメントの核心をついている。
どちらが優れているかではなく、業界の成長フェーズに応じて必要なリーダーシップが変わるということ。この2人が対談できること自体が、業界の成熟を示す象徴的な出来事である。
3040——30代40代のための「唯一無二」の扉
東京秘密基地の代表を退任した一条はじめが次に立ち上げたのが「3040」というセカンドブランドである。名前の通り、30代40代のセラピストが主体の店舗であり、女性用風俗業界で唯一無二のポジションを確立している。2年の運営を経て3年目に突入し、昨日で2歳の誕生日を迎えたばかりだという。
設立の背景には、東京秘密基地がもう自分がいなくても大丈夫だという確信と、自身の施術スタイルが30代40代の方に最も伝わりやすいという手応えがあった。メンタルケア的なアプローチに対する理解度が、この年齢層で特に高いのだ。
驚くべきデータも明かされた。40代後半のセラピストが、副業で月30指名を獲得している。月30指名は女性用風俗全国で見ても10人いるかいないかのトップクラスの数字であり、「40代をこれだけ綺麗に並べてかっこいい人たちが実力もある感じのお店はうちしかない」と一条はじめは断言する。
求人面でも「一条はじめのところで働きたい」という動機で来る人材が多く、マインドが最初から整っているケースが多いという。悪さをしたいだけならそこらの店舗に行けばいいわけで、一条はじめの名前に惹かれて来る時点で本気度が違うのだ。
まとめ——レジェンドたちの対談が照らす道
一条はじめと青山翔輝の対談は、女性用風俗業界の原点と未来を同時に映し出すものであった。本記事の要点を整理する。
- 一条はじめは借金2000万円から業界に参入し、21人目のお客様で「業務感」を排除して覚醒
- ホームページを下ろし、100名のリピーターだけでDM予約を受けて2年半予約満了を維持
- 東京秘密基地の社長時代は「直感」でチームを引き締めるカリスマ型マネジメントを発揮
- 3040(30代40代専門店)で唯一無二のポジションを確立し、40代後半でも月30指名を実現
- 一条と青山の入店時期はわずか1年差で、業界自体がまだ若く発展途上にある
「今見てる方たちも10年後は3040の対象年齢になってる。先に扉を開いた」という一条の言葉は、業界の未来を見据えたビジョンそのものだ。
よくある質問
東京秘密基地の元セラピスト、講師、店長、代表を歴任した業界のパイオニア。2018年に借金2000万円を抱えた状態で業界に参入し、圧倒的な実績を残した後、独立して「3040」を設立した。全身にタトゥーが入っているが「ワンポイント」と言い張っている。
30代40代(一部50代)のセラピストが在籍する女性用風俗店。一条はじめが代表を務める。メンタルケア要素の強い施術が特徴で、40代後半のセラピストが月30指名を獲得するなど、年齢を強みに変えた運営を実現している。
マニュアル通りの機械的な接客のこと。クレームを避けることを最優先にした結果、セラピスト自身の個性や魅力が伝わらなくなる状態を指す。一条はじめは21人目のお客様で業務感を排除したことをきっかけに爆発的にリピートが増加した。
3040の実績が示すように、40代後半のセラピストが月30指名(全国トップクラス)を獲得している。「今のセラピストたちは20代。あと20年結果出せるんだよっていう話」と一条はじめは語り、夢を持たせられるステージとして3040を位置づけている。
一条はじめが東京秘密基地の代表だった時代に、青山翔輝は同店でセラピスト・講師として活動していた。青山にとっての最初のマッサージ講習は天宮りんたが担当し、一条はじめとの関わりは主に運営面でのものだった。互いにリスペクトを持つ関係である。



