セラピストの技術は、どうやって受け継がれているのだろうか。マニュアルを読むだけでは、触れる速さや体の向きといった細かな感覚までは伝わりにくい。
女風ドキュメンタリー(OASISグループのYouTubeチャンネル)が今回密着したのは、OASISグループで定番になっている「立ち見講習」。講師の接客を、ほかのセラピストがその場で見て学ぶという形式の講習だ。
講師は前回の講習潜入動画に続いて、店長の天宮りんたが務めた。
動画で公開されたのは、講習のうち泡洗体の部分が中心だ。
本記事では、文字起こしから確認できた内容をもとに、利用する女性の側から見て「泡洗体の時間にセラピストは何を考えているのか」が分かる部分を整理する。実技に関わる部分は、媒体の方針に沿って考え方に置き換えている。
「人の接客を見て盗む」ための講習
動画の冒頭、進行役は前回の講習潜入動画に触れた。撮影時点で4万回再生を超え、その動画をきっかけに求人へ応募した人も多く、お客様からも好評だったという。講習の裏側は外からはなかなか見えないからこそ、今回も潜入する、という前置きだった。
今回の「立ち見講習」は、講師が行う90分間の接客を、参加するセラピストが見て学ぶものだ。ホテルで一連の流れを行い、それを複数のセラピストがその場で見守る。
ほかの人の接客を見る機会
進行役は、他人の接客を見て学ぶことが一番効率のよい学び方だと話す。本来であれば、複数のセラピストが同時に入るコースでもない限り、ほかの人の接客を見る機会はない。
進行役自身も、人の接客を見て自分に落とし込みながら成長してきたという自負があると語っていた。
渋谷のホテルで、見てほしいのは「動作と重心移動」
講習の会場は渋谷のホテル。参加したセラピストは5人ほどで、ほとんどは動画に映らないため、進行役がカメラを回しながら解説する形で進んだ。
講習を前に、参加者へ見どころが伝えられた。ポイントは、1つ1つの動作や重心の移動。本当に細かいところだが、そこを中心に見てほしいという。
また講師は、この日は雰囲気づくりの部分を重点的に見せる回ではないとしたうえで、施術している最中でも「何をポイントにやっているのか」を遠慮なく質問してほしいと呼びかけている。見るだけで終わらせず、その場で理由を聞けるのもこの講習の特徴だ。
道具は「落としやすさ」と「香り」で選ぶ
泡を作り始める前に、天宮りんたは自分が使っている道具と、それを選んだ理由を一つずつ説明した。説明の軸になっていたのは、受ける側の快適さと、施術後の扱いやすさだ。
- ローションは、体に残りにくく洗い流しやすいものを使う。量が多いと体中についてしまい、落とすのが大変になるため
- 1本を半分ほど泡洗体に使い、残りはオイルマッサージのときに使う
- ストレッチの最中はベビーパウダーを使い、マッサージではオイルに切り替える流れにしている。パウダーは振りかけても手につけてもよい
- ボディソープは常に持ち歩いている。選ぶ基準は香りと泡立ちのよさ
- 泡立てには大きめのスポンジが向いている
デリケートな部分を洗う洗浄料についても、においが落ちやすいものを最近は使っていると話していた。どれも「何を使うか」より「なぜそれを選ぶのか」に重きを置いた説明で、参加者がそれぞれ自分に合ったものを選べるようにする意図がうかがえた。
泡の仕上がりを左右するのは、お湯の量と温度
続いて泡づくりの実演に移った。講師がまず強調したのは、お湯の量だ。通常の泡洗体に比べて、今回のやり方ではお湯はほんの少しだけ。お湯を入れすぎると、泡がゆるく流れやすい状態になってしまうという。
混ぜ方にもコツがある。正座をして容器を安定させ、手首を固定したまま、底からかき混ぜるように泡立てていく。参加者には、混ぜ方の姿勢まで含めて見せていた。
温度へのこだわりも語られた。本来はボディソープも湯煎しておき、なるべく温かい状態で泡を作る。肌に触れたときに人肌くらいになるようにしてあげる、というのが講師の考え方だ。この日は容器が1つだったため、本来のやり方として説明する形になった。
お風呂の中でもできること
講師はお風呂の時間についても触れている。お風呂の中は、ゆっくりしたりハグしたりするだけと思われがちだが、実際にはお風呂の中でもできることはたくさんある。それを意識してほしい、と参加者に伝えていた。
泡洗体は、心地よさの「範囲」を探す時間
この日の泡洗体は、密着だけでなく、マッサージに近い要素を多めに取り入れた内容だった。雰囲気を出しつつも、純粋に気持ちいいと感じてもらえることを目指している。
講師がもう一つの狙いとして挙げたのが、反応の確認だ。泡洗体の段階では、お腹まわりなどの感じ方を確かめていくという。
まだ気持ちが高まる前だからこそ、くすぐったさや心地よさの境目を落ち着いて確かめられる。泡洗体を「洗う時間」だけでなく、その後の施術の手がかりを集める時間として使っているということだ。
膝の裏と手の先
講師によれば、膝や膝の裏あたりを心地よく感じる人は意外と多い。また、指を洗うことや、手の先までしっかり洗うことも大切にしていて、参加者にはそこも見ておくよう伝えていた。
なお、手順の順番については、同じようにやってもよいし、自分でアレンジしてもかまわないと講師は話している。型を押しつけるのではなく、考え方を持ち帰ってもらう講習だった。
講習を終えて、進行役が振り返ったこと
泡洗体の講習がひと区切りしたところで、進行役は、泡洗体マッサージは男性がふだんなかなか受けることのない施術だと話した。そのうえで、OASISグループではほぼ全員ができるようになっているという。
ただし、やり方は人によってかなり違う。だからこそ、ほかの人のよいところを取り入れていけばいい、という見方だった。
講習後、場所を移した進行役は、この日の講習を次のように振り返っている。
- 動画で公開できるのは、講習のかなり限られた部分にとどまる
- 内容の詰まった講習で、進行役自身にも勉強になる部分があった
- 泡の作り方ひとつにも、細かな工夫がたくさんある
- 参加者には歴3〜4年のセラピストや新人、ベテランもいて、「すごくためになった」という声が上がっていた
月に20回以上開かれる講習
また進行役によれば、OASISグループでは講習を随時開いており、多いときは月に20回以上になる。今回のような施術の講習だけでなく、お客様へのメッセージの送り方など、コミュニケーションの面も細かく指導しているという。
まとめ
- 「立ち見講習」は、講師の90分間の接客をほかのセラピストがその場で見て学ぶ、OASISグループの定番の講習
- 講師の天宮りんたは、動作や重心移動といった細部を見てほしいと伝え、施術中の質問も歓迎していた
- 道具は、洗い流しやすさや香り、泡立ちのよさといった理由とともに紹介された
- 泡はお湯を控えめにし、人肌くらいの温かさで作ることが大切にされていた
- 泡洗体は、まだ気持ちが高まる前に、くすぐったさや心地よさの範囲を探る時間としても使われていた
- 手順は型どおりでなくてよく、よいところを取り入れて自分の施術にしていく考え方が示された
泡洗体の時間に、くすぐったいところや苦手な触れ方があれば、そのまま伝えてかまわない。セラピストはその反応を、その後の施術の組み立てに生かそうとしている。
※本記事は、女風ドキュメンタリーの動画「【潜入】女性用風俗セラピストの裏側、ガチ講習に密着してみた」の内容を文字起こしから確認して構成したものです。施術の実技に関わる部分は考え方に置き換えて紹介しています。講習の内容や参加人数、出演者の肩書は撮影時点のものです。
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よくある質問
講師が行う90分間の接客を、参加するセラピストがその場で見て学ぶ、OASISグループの定番の講習です。動画では、ほかの人の接客を見て学ぶことが最も効率のよい学び方だと説明されていました。
OASISグループの店長、天宮りんたです。前回の講習潜入動画に続いての講師で、渋谷のホテルで5人ほどのセラピストが参加して行われました。
講師は、密着だけでなくマッサージに近い要素も取り入れながら、くすぐったいところや心地よく感じる範囲を探っていると説明していました。まだ気持ちが高まる前の時間だからこそ、反応を落ち着いて確かめられるという考え方です。
講師は、お湯の量を控えめにして泡がゆるくならないようにし、本来はボディソープも湯煎して、人肌くらいの温かさで作ると話していました。冷たさや感触が気になるときは、その場で伝えておくと安心です。
動画では、OASISグループではほぼ全員が泡洗体をできるものの、やり方は人によってかなり違うと語られていました。講習では、手順をそのまままねてもアレンジしてもよいとされ、よいところを取り入れていく考え方が示されていました。



