女性用風俗セラピストという職業は、いまだ社会的に語られる機会が少ない。しかし近年、女性の「癒し」や「自分時間」への需要が高まるなかで、この業界は着実に拡大を続けている。
なかでも注目を集めるのが、OASISグループ代表・青山翔輝である。20歳のとき600万~700万円もの借金を抱え、人生のどん底を経験した彼は、24歳で女性用風俗の世界に足を踏み入れた。
セラピストとしてトップクラスの実績を積み上げ、わずか数年で自身のグループを立ち上げるまでに至っている。本記事では、青山の歩みを軸に、女性用風俗セラピストというキャリアのリアルと可能性を掘り下げていく。
青山翔輝とは何者か——OASISグループ代表の素顔
OASISグループは、東京・大阪に直営店を構え、全国にフランチャイズ10店舗を展開する女性用風俗の一大勢力である。その代表を務める青山翔輝は、現在30歳。驚くべきことに、経営者でありながら現役セラピストとしても7年目を迎えており、現在も2日に1件のペースで予約をこなしている。
朝7時から8時に起床し、午前中は事務仕事、昼過ぎからはセラピスト志望者との面談や講習、合間に施術予約をこなすという日常は、まさに「二足のわらじ」を体現したものだ。経営者としての視座と、現場の肌感覚を同時に持ち続ける姿勢が、OASISグループの強さの源泉となっている。
Shizuku編集部経営者でありながら現役セラピストを続ける青山のスタイルは、業界内でも極めて異例である。現場を離れないことで、顧客のニーズや業界のトレンドを経営判断に直結させている点は、他業種の経営者にとっても示唆に富む。
女風業界は「人が人に届けるサービス」であるがゆえに、現場感覚を失った経営は空回りしやすい。青山の二足のわらじスタイルは、この業界における理想的な経営モデルの一つといえるだろう。
借金700万からの再出発——どん底が教えてくれたこと
青山のキャリアを語るうえで避けて通れないのが、20歳の頃に抱えた600万~700万円の借金である。返済の道を模索するなかで、レンタル彼氏の面接だと思って訪れた先がゲイ風俗だったというエピソードは、本人が過去の「黒歴史」として率直に振り返っているものだ。
お酒が飲めずホストという選択肢もなかった青山にとって、半年間その仕事で返済に充てたことは、生き残るための必死の判断だった。
この経験は彼にとって決して誇れるものではなかったかもしれないが、追い詰められた状況でも行動を選び続けたという事実は、その後のキャリアを貫く「行動力」の原点になっている。どん底を知る人間だからこそ、現在の成功に対する解像度が高いのだろう。
女性用風俗セラピストとしての転機——東京秘密基地との出会い
24歳のとき、友人の紹介で女性用風俗大手「東京秘密基地」の存在を知ったことが、青山の人生を大きく変えた。友人はすぐに面接・入店を決めたが、青山自身は半年間悩んだ末に入店を決意したという。
2019年にデビューした当時、東京秘密基地は全国34店舗規模を誇る業界最大手だった。最初はアパレル店員との副業としてスタートしたが、コロナ禍でアパレル業界が低迷すると、セラピスト一本に絞る決断を下す。
この判断が功を奏し、人気セラピストとして頭角を現していった。そして2022年、自身の理想とする店づくりを追求するためにOASISグループを立ち上げる。
副業から始まり、本業となり、やがて経営へ。段階を踏んだキャリア形成は、女風で働くことを検討している人にとって一つのロールモデルとなるはずだ。
「自分は女性を知らなかった」——この仕事を通じて、エスコートや会話、女性が本当に求めていることを学んだと青山は語る。
セラピストの仕事で身につく3つのスキルと厳しい現実
女性用風俗セラピストという仕事は、単なる「サービス業」の枠に収まらない。青山はこの仕事を通じて「自分の価値観が180度変わった」と述べている。
具体的に身についたスキルは以下の3つだ。
- エスコートの仕方: 女性をリードする立ち居振る舞い
- 会話の引き出し方: 相手が本音を話せる空気をつくる技術
- 女性が言われたくない言葉への理解: 業界だからこそ聞ける女性のリアルな声から学ぶ繊細さ
これらは日常の人間関係においても通用するコミュニケーションスキルである。
一方で、つらい側面もある。リピーターの平均的な利用期間は3ヶ月~6ヶ月で、出会いと別れのサイクルが早い。しかも女性は不満を直接口にせず、静かに去っていくことが多いという。
常に自分を磨き続けなければ、顧客との関係を維持できない厳しさがある。



セラピストの仕事を通じて得られる対人スキルは、将来的にまったく異なる業種に転身した場合にも武器になる。青山の証言は、この仕事が単なる「つなぎ」ではなく、人間的成長の場であることを示している。
特に「女性が言われたくない言葉への理解」は、日常の人間関係でも極めて重要なスキルだ。女風業界で培われるコミュニケーション力は、営業職やカウンセラー、接客業など多くの分野で即戦力となりうる。
OASISグループの強み——業界水準を超える育成システム
OASISグループが業界内で急成長を遂げている背景には、独自の育成システムがある。このセクションでは、青山が掲げる3つの強みと採用基準を整理する。
青山が掲げる強みは大きく三つだ。
- 講習とモニター試験の本部一元管理: 属人的な指導に頼らず、一定水準以上のサービス品質を全店舗で担保する仕組みである。
- 多彩な講習プログラム: 密着ストレッチをはじめ、技術面だけでなくビジュアル指導やSNS運用、コミュニケーション講習まで幅広くカバーしている。
- セラピスト同士が支え合う「チーム制文化」: 個人プレーになりがちな業界にあって、情報共有やメンタルサポートの基盤をチーム単位で構築している点は特筆に値する。
採用においては以下の三要素を重視している。
- やる気
- 安定した出勤への意欲
- 清潔感
特別なビジュアルやスキルは入店時点では問わないという姿勢も、間口の広さにつながっている。
「誇りを持てる業界にしたい」——青山のこの言葉は、育成システムへのこだわりにも色濃く反映されている。
女性用風俗セラピストのキャリアと業界の未来
女性用風俗業界は、かつてのアンダーグラウンドなイメージから脱却しつつある。ここでは、業界の市場規模とOASISグループが見据える今後の展望を整理する。
青山自身、仕事を始めた当初は後ろめたさを感じていたと認めている。しかし、女性のストレス発散や日常の活力、さらには家庭内の関係改善にまで貢献するケースを目の当たりにするうちに、「世の中に必要な仕事だ」という確信に変わったという。
業界の現在の規模感は以下のとおりだ。
- 東京秘密基地(業界最大手): 全国100店舗展開、推定年商50億〜100億円規模
- OASISグループ: 東京・大阪の直営店+全国FC10店舗展開中
青山が率いるOASISグループの目標は、この東京秘密基地を超えることだ。フランチャイズ展開と育成システムの標準化を武器に、業界地図を塗り替える挑戦が始まっている。
女性用風俗セラピストという職業が社会的に認知され、キャリアの選択肢として正当に評価される時代が来るかどうか。その試金石となるのが、OASISグループの今後の歩みだろう。
女性向けウェルネス市場全体が拡大するなかで、女性用風俗は「癒し産業」の一角として成長余地が大きい。業界の透明性向上と社会的認知の獲得が進めば、セラピストのキャリアパスはさらに多様化していくだろう。
よくある質問
- 女性用風俗セラピストになるために特別な資格やスキルは必要か?
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OASISグループの場合、入店時に特別な資格やスキルは求められていない。重視されるのは「やる気」「安定した出勤意欲」「清潔感」の三つである。入店後にビジュアル指導、コミュニケーション講習、密着ストレッチなどの技術講習が段階的に行われるため、未経験からでもスタート可能な環境が整っている。
- セラピストの仕事は副業としても成り立つのか?
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青山自身がアパレル店員との副業からキャリアをスタートさせた実例がある。予約制で働く時間をある程度調整できるため、本業を持ちながら始めるセラピストは少なくない。ただし、安定した収入を得るには一定の出勤頻度と顧客との信頼構築が不可欠であり、中長期的には本業として取り組む覚悟が問われる場面もある。
- セラピストとしての平均的な活動期間はどれくらいか?
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業界全体の統計データは限られるが、青山は現役7年目であり、長期にわたって活動を続けるセラピストも存在する。一方で、リピーターの利用サイクルは平均3ヶ月から6ヶ月と短いため、常に新規顧客の獲得と自己研鑽を続ける姿勢が、長く活動を続けるための鍵となる。
- OASISグループと他店の違いは何か?
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OASISグループの最大の特徴は、講習とモニター試験を本部が一元管理する育成システム、多彩な講習プログラム、そしてセラピスト同士のチーム制文化の三つである。個人の裁量に依存しがちな業界構造のなかで、組織的にサービス品質を担保する仕組みを構築している点が他店との差別化ポイントとなっている。
- 女性用風俗セラピストの仕事に後ろめたさを感じることはないか?
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青山自身、仕事を始めた当初は後ろめたさがあったと率直に語っている。しかし、利用者の女性がストレスから解放されたり、日常に活力を取り戻したりする姿を見るうちに、社会的に必要な仕事だという確信に変わったという。業界全体の透明性向上や社会的認知の拡大とともに、こうした意識の変化はセラピストの間で広がりつつある。



