「おりものがいつもと少し違う気がする」「のどの違和感が続いている」。そんなときに検索されることが多いのが、クラミジアの症状です。

クラミジアは日本でよくみられる性感染症のひとつですが、感染していても症状をほとんど自覚しないことが多いのが特徴です。厚生労働省も、症状が少ないために気づかないまま感染が広がることがあると説明しています。

この記事では、性器とのどに分けた症状の一覧、症状がなくても感染していることがある理由、そして「気になったら次に何をするか」までを、公的機関の情報をもとに整理しました。

みお

症状がほとんど出ないって、じゃあどうやって気づけばいいの…?それに、もし感染してたら相手にどう言えばいいのかも分からない。

Ryo

症状で見分けるのには限界がある、というのが大事なポイントです。だからこそ「症状の一覧」と「症状がなくても検査を考えるタイミング」をセットで見ていきましょう。伝え方も後半で具体的にまとめます。

この記事の要点

  • 主な症状は、女性ではおりものの変化や軽い下腹部の痛み、男性では排尿時の軽い痛みや尿道からのうみ、のどでは違和感など
  • 女性は症状をほとんど自覚しないことが多く、男性も症状が出るのは半分ほどとされる
  • 症状で判断せず、心当たりがあれば検査へ。陽性ならパートナーも一緒に受診し、治療が終わるまで性交渉は控える

クラミジアの症状を一覧で確認する

クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌による感染症です。性行為などの性的な接触で、性器だけでなく口やのどの粘膜からも感染します。どこに感染したか、男性か女性かで、出やすい症状が異なります。

感染した場所女性に出やすい症状男性に出やすい症状
性器初期はおりものの変化や軽い下腹部の痛み程度。進むと不正出血、性交時の痛み排尿時の軽い痛み、尿道からのうみ、かゆみ。精巣のあたりの腫れや発熱が出ることも
のどのどの違和感。首のリンパ節が腫れることがあるのどの違和感。首のリンパ節が腫れることがある
共通症状をほとんど自覚しないことが多い症状が出るのは半分ほどとされる

感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は、おおむね1〜3週間とされています(2〜3週間とする資料もあります)。ただし、上の表のとおり症状が出ないまま経過することも多いため、「何週間たっても何もないから大丈夫」とは言い切れません。

女性に出やすい症状

女性の場合、子宮の入り口(子宮頸管)に感染することが多く、感染していても症状をほとんど自覚しないことが多いとされています。出るとしても、初期は次のような軽いものです。

  • おりものの量や状態がいつもと違う
  • 下腹部の軽い痛み

どちらも生理周期や体調によって起こりうる変化なので、これだけでクラミジアかどうかを見分けることはできません。感染が子宮の奥や卵管、お腹の中へと広がると、次のような症状が出ることがあります。

  • 生理以外のときの出血(不正出血)
  • 性交時の痛み
  • 下腹部の痛みが強くなる

公的機関の資料では、女性の感染は子宮頸管炎のほか、骨盤内の炎症や肝臓のまわりの炎症(肝周囲炎)につながることがあると説明されています。「なんとなくの違和感」の段階でも、心当たりがあれば早めに検査を考えてよいサインです。

みお

おりものがちょっと変、くらいだと、生理前のせいかなって流しちゃいそう…。

Ryo

そう感じる人は多いと思います。だから症状の強さではなく、「心当たりがあるかどうか」で検査を考えるのが現実的です。この判断の目安は、後半の行動表にまとめています。

男性に出やすい症状

男性は尿道に感染することが多く、次のような症状が出ることがあります。

  • 排尿時の軽い痛み
  • 尿道からのうみ
  • 尿道のかゆみや不快感
  • 精巣のあたりの腫れ、発熱

ただ、男性でも症状が出るのは半分くらいとされています。痛みが軽いため、気のせいだと思って過ごしてしまうこともあります。パートナーの男性に症状がないからといって、二人とも感染していないとは限りません。

のどに感染したときの症状

クラミジアは、オーラルセックスなどでのどにも感染します。のどに感染すると、のどの違和感や、首のリンパ節の腫れがみられることがあります。

のどの違和感は風邪や乾燥でもよく起こるため、自分で区別するのは難しいところです。また、性器の検査だけではのどの感染は分からないので、オーラルセックスに心当たりがある場合は、のどの検査も受けられるか確認しておくと安心です。

症状がないのに感染していることがある理由

クラミジアの大きな特徴は、症状が軽いか、まったく出ないことが多い点です。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の資料では、妊婦健診で正常な妊婦の3〜5%にクラミジアの保有者がみられることから、自覚症状のない感染者はかなりいると推測されています。

症状がないまま過ごしている間も、性的な接触で相手にうつることがあります。厚生労働省が「気づかないまま感染が広がることがある」と注意を呼びかけているのはこのためです。

また、クラミジアは淋菌との重複感染も多いとされています。ひとつの感染症だけでなく、まとめて調べられる検査を選ぶ人が多いのはこうした理由もあります。

放置するとどうなるのか

症状が軽いからといってそのままにしておくと、次のようなことにつながるおそれがあると、公的機関は説明しています。

起こりうること
女性子宮や卵管、お腹の中への炎症の広がり。不妊や、妊娠中の場合は早期流産の原因になることがある
男性精巣のあたりの炎症(腫れや発熱)。不妊の原因になる可能性がある
妊娠中の場合出産の際に赤ちゃんにうつり(産道感染)、新生児の結膜炎や肺炎の原因になることがある
パートナー自覚がないまま、性的な接触で相手にうつしてしまう

「何年も放置していたかもしれない」と不安になったときも、今から検査を受けることに遅すぎるということはありません。結果が分かれば、必要な治療や次の行動を医師と相談できます。

症状と心当たり別に、次にとる行動

ここまでのとおり、症状だけでクラミジアかどうかを判断することはできません。いまの状況に近いものを、次の表で確認してみてください。

いまの状況次にとる行動の目安
性器やのどに症状があり、心当たりもある医療機関で検査と診察を受ける。受診するまでは性的な接触を控える
症状はないが、コンドームなしの性行為やオーラルセックスなど心当たりがある検査を受ける。病院・保健所・郵送キットから、受けやすい方法を選ぶ
パートナーが陽性だったと伝えられた症状がなくても医療機関で検査を受ける
新しいパートナーができた、または複数の相手と関係がある定期的に検査を受ける習慣をつくる
妊娠を考えている、または妊娠中妊婦健診での検査について医師に確認する
郵送キットで陽性だった医療機関を受診して確定診断と治療を受ける

Ryo

表の中で一番多いのは、たぶん2行目の「症状はないけど心当たりはある」だと思います。ここで止まってしまう人が多いので、次の章で検査の受け方を比べておきます。

検査はどこで受けられるのか

クラミジアの検査は、尿や、尿道や子宮頸部からの分泌物、おりものを調べて行います。のどの感染は、のどの検査で調べます。主な窓口は3つです。

窓口特徴向いている人
医療機関女性は婦人科、男性は泌尿器科のほか、性感染症を専門に診る医療機関もある。陽性ならそのまま治療に進める症状がある人、すぐに治療まで進めたい人
保健所自治体によっては匿名・無料で受けられる。ただし実施の有無や項目、日程は自治体ごとに異なる(HIV検査と同時に限る例もある)費用を抑えたい人、匿名で受けたい人
郵送の検査キット自宅で採取して送る。人に会わずに受けられるが、確定診断ではない病院に行く前にまず調べたい人、症状がない人

保健所の例として、栃木県では匿名・無料の検査をHIV検査と同時に行っており、クラミジア単独での検査はできないと案内しています。お住まいの自治体の保健所のサイトで、事前に確認しておくとスムーズです。

郵送キットは、症状がないときのきっかけとして使いやすい方法です。Shizukuでは、女性用・男性用の両方を実際に開けて、受け取り方や採取の流れを確かめたレビューを掲載しています。

郵送キットで陽性だった場合や、症状がある場合は、医療機関を受診してください。

パートナーにどう伝えるか

クラミジアは抗菌薬で治療します。公的機関の情報では、診断がついたらパートナーも医療機関を受診して治療を受けること、そして治療が終わるまでは性交渉を控えることが大切だとされています。自分だけが治っても、パートナーが感染したままだと再びうつってしまうためです。

また、症状がよくなっても自己判断で薬をやめず、医師から性交渉の許可が出るまでは控えるよう案内されています。

伝えるときに意識したいこと

  • どちらからうつったのかを決めつけない(症状が出ないことが多く、いつ感染したかは分かりにくい)
  • 責める話ではなく「二人の体のための話」として伝える
  • 検査結果や受診した医療機関など、事実をそのまま共有する
  • 相手が受診するまで、性的な接触を控えることも合わせて伝える

伝え方の例

「検査を受けたらクラミジアが陽性だったの。症状が出ないことも多くて、いつからかは分からないんだけど、あなたも念のため検査を受けてほしい。治療が終わるまでは、お互いにしばらく控えようね。」

直接言いにくいときは、メッセージで事実と受診のお願いだけを先に伝える方法もあります。言葉を選ぶのに迷ったら、受診先の医療機関で伝え方を相談してみるのもひとつの手です。

みお

「あなたからでしょ」って言いたくなっちゃいそう…。でも、症状が出ないならどっちからか分からないんだよね。

Ryo

そうなんです。犯人探しより、二人とも検査と治療を終えることのほうが、ずっと大事です。

女風を利用する人、働くセラピストが知っておきたいこと

女性用風俗を利用する人にとっても、働くセラピストにとっても、性感染症の検査は相手のためであり自分のためでもあります。お店によって検査のルールはさまざまですが、Shizukuでは、あるグループのセラピストが毎月受けている性病検査に同行した記事を掲載しています。受付から会計までの流れや、のどの検査がどのように行われるかが分かります。

利用する側としては、お店の公式サイトで検査や衛生面の方針が案内されているかを確認しておくと、安心材料のひとつになります。そのうえで、自分自身も定期的に検査を受けておくと、体の状態を把握しやすくなります。

予防のためにできること

  • コンドームを使う。ただし、コンドームが覆わない部分から感染することもあるため、100%予防できるわけではない
  • オーラルセックスも感染の経路になることを知っておく
  • 定期的に検査を受ける。症状が出ないことが多いため、早期発見には検査が役に立つ
  • パートナーと検査について話せる関係をつくっておく

よくある質問

QQ. クラミジアの初期症状は?
A

女性では、おりものの変化や軽い下腹部の痛み程度とされています。男性では、排尿時の軽い痛みや尿道からのうみ、かゆみなどです。ただし、男女とも症状が出ないことが多いため、初期症状がないことは感染していない理由になりません。

QQ. 女性はいつ気づくことが多い?
A

女性は症状をほとんど自覚しないことが多いとされています。感染が広がって不正出血や性交時の痛みが出てから気づく場合や、パートナーの陽性をきっかけに検査して分かる場合、妊婦健診で見つかる場合もあります。心当たりがあれば、症状を待たずに検査を考えてください。

QQ. 臭いで分かりますか?
A

公的機関の情報では、クラミジアの症状として臭いは挙げられていません。おりものの臭いの変化はほかの原因でも起こるため、臭いで判断することはできません。気になる変化があれば、医療機関で相談してください。

QQ. 自然に治りますか?
A

公的機関の情報はいずれも、医療機関での検査と抗菌薬による治療を案内しています。症状が軽いからと様子を見ている間にも、パートナーにうつしたり、炎症が広がったりするおそれがあるため、自己判断せずに受診してください。

QQ. 何年も放置していたかもしれません。大丈夫ですか?
A

女性では不妊や早期流産、男性では精巣のあたりの炎症や不妊などにつながるおそれがあるとされています。ただ、いまの状態は検査をしないと分かりません。不安なときこそ早めに検査を受け、結果をもとに医師と相談してください。

まとめ

クラミジアの症状は、女性ではおりものの変化や軽い下腹部の痛み、男性では排尿時の軽い痛みや尿道からのうみ、のどでは違和感などです。ただし、症状をほとんど自覚しないことが多いのが一番の特徴で、症状の有無だけで判断することはできません。

心当たりがあるときは、医療機関・保健所・郵送キットの中から受けやすい方法で検査を。陽性だった場合は、パートナーも一緒に受診し、治療が終わるまでは性交渉を控えましょう。

※本記事は2026年11月時点で、厚生労働省、国立健康危機管理研究機構(JIHS)、東京都感染症情報センター、栃木県感染症情報センターの公開情報をもとにShizuku編集部がまとめたものです。診断や治療を行うものではありません。症状や治療については、医師にご相談ください。

参考:厚生労働省「性器クラミジア感染症」/国立健康危機管理研究機構「性器クラミジア感染症(詳細版)」/東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」/栃木県感染症情報センター「性器クラミジア感染症」